社会保険には「扶養」という制度があります。扶養に入ると、年金保険料や健康保険料を支払わなくてもその制度を利用できるというメリットがありますが、そのためには一定の条件をクリアしなければなりません。被扶養者になるための条件や注意点についてまとめました。 社会保険上の被扶養家族になるための条件について詳しくまとめました。このページを最後まで読み、今まであいまいに理解していた「社会保険の扶養家族」の条件をよく理解していただきたいと思う。また「税法上の扶養家族」の条件との違いも解説。 社会保険では扶養という仕組みがあり、年収130万円未満の配偶者の方は被扶養者になることができ、保険料負担が発生することなく、社会保険のさまざまな給付を受けられることになります。 これは、国民健康保険(国保)には存在しない制度なのですが、この年収130万円というのはどのよ … 扶養家族といえば、まず配偶者や子どもを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。親と同居しているなら両親も扶養家族に該当するかもしれません。しかし、扶養家族とは一緒に暮らしているすべての家族を指すのではなく、いくつかの基準が存在しています。扶養家族についての理解があいまいだと、扶養に関する手続き等を行う際に混乱しかねません。扶養についての知識をつけておくことで、なにかと煩雑手続きもそ … の三つの条件をクリアしなければなりません。ただし後期高齢者医療制度等に加入している親族は既に保険制度に加入しているため, 被保険者の3親等内の親族が、被扶養者としての家族として認められます。ちなみに「親等」とは親族関係の遠近を表す単位です。例えばご自身からみて配偶者は自分と同じ位置にいるとして0親等、両親や子は1親等、祖父母や孫は2親等にあたります。, 生計維持関係は、被保険者と被扶養者の収入により判断します。原則被扶養者の年間収入が130万円未満であること、そして年間収入が被保険者の収入の1/2未満であれば生計維持関係にあるとみなされます。, 住居と家計を共同にすることが求められます。ここでいう共同とは、戸籍が同一であることや世帯主であることではなく、実態として住居と家計が一緒か否かで判断します。, 例えば出張や入院により住居が別々になっても、家計のやりくりが一緒であれば同一世帯と認められます。一方で二世帯住宅のように住所が同一であっても、収支が別々といったように家計が異なる場合は同一世帯とはみなされません。, 被扶養者となるには、年間収入が130万円未満(月額108,334円未満)でなければなりません。これが一般的に言われる「130万円の壁」です。ここでは収入要件について説明していきます。, 注意点としては、被扶養者の年間収入は直近3ヶ月の月の収入ベースで判断されることです。例えば、9月から扶養に入ろうと思っている人の場合、6~8月の収入の平均額に12をかけた額が130万円を超えないようにしなくてはいけません。, また、収入には雇用保険の失業等給付、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれますので注意が必要です。, 60歳以上の方、または概ね障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障がい者の方は、年間収入の要件が緩和され、年間収入が180万円未満であれば被扶養者になることができます。, 年間収入とは、今後一年間で見込まれる収入のことを指すと申し上げましたが、その収入の対象となるものの一覧が以下の表となります。, このように、継続的な収入は基本的に年間収入に含まれると解釈してよいでしょう。ただし、個別的な事案もありますので、不明な場合は専門家への確認をお勧めします。, 国内居住要件とは、日本国内に住所を要しなければならないとのことで、これは外国人労働者の受け入れに対応したためです。ただし短期間の出張や留学等については例外的に免除となりますので、該当する場合は手続き等をするとよいでしょう。, 所得税は所得に一定の税率を掛けて算出されます。扶養控除とは扶養している家族の人数に応じて所得から一定の金額を控除できる制度なので、支払う所得税の額を抑えることができます。, 所得税の扶養控除は、親族への控除である扶養控除と、配偶者に対する配偶者控除、配偶者特別控除の三種類があります。, 親族とは、その年の12月31日現在で16歳以上かつ6親等内の血族または3親等内の姻族であることです。また、配偶者は婚姻届を提出して受理されなければならないので、内縁関係では対象になりません。, 家族で同じ財布を共有していることが求められます。基本的には同居し養われていることで生計を一にするものと認められますが、大学生の子供が別居していたとしても、生活費や学費等が送金されているのであれば生計を一にすると認められます。, 合計所得金額とは収入から一定の経費を差し引いたもので、この金額は親族と配偶者の違いにより異なります。詳細な額については後述していきます。, 端的にいうと自営業者の配偶者でないことです。自営業者の配偶者には別途所得控除の仕組みがあるので、二重適用にならないように、この要件が設けられています。, 先述したように、配偶者かその他の親族であるかによって、合計所得金額の上限は変わります。, 配偶者の所得額が一定以下の場合に納税者が所得控除を受けることができる制度として配偶者控除と配偶者特別控除の2種類があります。, 両者の違いは、配偶者控除であれば合計所得金額が38万円以下(給与収入のみの場合103万円以下)、配偶者特別控除であれば合計所得金額が38万円を超え123万円以下(給与収入のみの場合103万円を超え201万6千円未満)であることが求められます。, 配偶者控除と配偶者特別控除は、納税者本人の所得も要件に含まれ合計所得金額が900万円給与所得のみの場合1120万円を超えると段階的に控除額が少なくなっていきます。, 以下の図表は、配偶者控除と配偶者特別控除それぞれの控除額について表しています。例えば一般の配偶者で所得が38万円かつ納税者本人の所得が920万円とすると配偶者控除額は26万円となります。, 一方、その他の親族が対象の扶養控除には、納税者本人の所得要件はないため、親族の合計所得金額が38万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)の場合は扶養控除の対象となります。, 上記で述べた条件を満たしていても、パートやアルバイトなどの勤め先で社会保険への加入条件を満たした場合、扶養から外れて社会保険に加入する必要が出てきます。, パートやアルバイトが社会保険に加入する条件と扶養から外れて社会保険に加入するメリット・デメリットについて説明していきます。, ①一週間の所定労働時間が常時雇用者(正社員)の4分の3以上であること 主婦のパート勤めで103万円、150万円と130万円は扶養内で働くボーダーライン。この中で社会保険の扶養範囲は年収130万円。103万円、150万円とは違った考え方をし、自営業者の妻は関係ありません。扶養に入るための条件を解説します。 被扶養者の範囲. 被扶養者に該当する条件は、日本国内に住所(住民票)を有しており、被保険者により主として生計を維持されていること、および次の(1)(2)いずれにも該当した場合です。. それぞれの制度で扶養親族となる条件が異なるため、103万や130万円の壁といった複数の壁が存在し、皆様も混乱してしまうのではないでしょうか。. しかし収入要件はこれだけではありません。. 【社会保険上編】親を扶養に入れれる条件. どちらも扶養に入るには、妻の年収がある一定の額を超えないことが条件となり(年収の壁)、その額を超えて扶養から外れてしまうと、夫の税金が増えたり、社会保険料を自分で支払わなければならなくなります。 ②一ヶ月の所定労働日数が常時雇用者(正社員)の4分の3以上であること, 例えば週の労働時間が40時間で月20日勤務の会社の場合であれば、30時間/週かつ15日/月以上の勤務で加入ということになります。4分の3以上か否かの判断は、就業規則や労働契約等の定めによってなされますので、たとえ単月の実態で条件を満たさなくても、問題なく加入し続けることができます。, 一方で原則の基準に達しなくとも一定の条件を満たせば、社会保険に加入できることがあります。, 2016年10月より、4分の3以上の加入条件が緩和され、2017年4月からはその条件の一つである企業規模要件の緩和も労使間の合意で柔軟に対応できるようになりました。, (2)の「1ヶ月あたりの決まった賃金が88,000円以上であること」の月額88,000円を年収にすると約106万円となります。これが一般的に言われる「106万円の壁」です。, また、501人以上の会社で勤務するパートやアルバイトの方は、より社会保険に加入しやすくなっていますので、入社前に確認することをお勧めします。, ただし、「個人事業主の妻がでサラリーマンの夫の扶養に入る」といった場合は、加入する健康保険が何かによって扶養の条件が違うことがあるため、夫の会社がけんぽ協会の健康保険でない場合は注意が必要です。健康保険組合はそれぞれの組合が個別に規定を定めることができるため、組合によって扶養の条件が変わることがあります。, 失業給付金や出産手当金を給付している場合も、日額の限度額を超えると被扶養者になることができませんので注意が必要です。健康保険組合によっては、年齢別に被扶養者になれる限度額をホームページ等でオープンにしていることもあるので確認してみましょう。, 一方で、配偶者の扶養から外れて社会保険に加入することもできます。それぞれメリットとデメリットがあるので、加入者に最もよいと思える選択ができるよう例を用いてご説明します。, 扶養のままだと最低限の年金しか受給できませんが、加入することで収入に比例した老齢厚生年金を受給することができます。, 加入することで、妻が自身の傷病によって出社できない場合には、月給の約2/3が保険によりカバーされます。, 扶養から外れて社会保険に加入した場合、支払う社会保険料の分手取りが減ります。社会保険に加入する場合、総支給額のおおよそ20%が控除されるものと思っておくとよいでしょう。, 扶養する配偶者には〇円の手当を支給すると規定で定められている場合は、社会保険等に加入することでその手当が減額され、夫の収入が減ることが予想されます。, 所得税には配偶者控除の制度がありますが、収入上限を上回ると控除対象から外れ、結果として夫が支払う所得税が増えます。, 社会保険の扶養の条件でよく聞く言葉に「106万の壁」と「130万の壁」があります。この2つの壁では交通費の扱いが違います。わかりづらい制度なので、仮に被扶養者をサラリーマンの妻と仮定して、それぞれの壁と交通費の扱いについて解説します。, 妻の年間の「賃金」を基準に考えます。最低賃金法で賃金に算入しないと定められている手当は賃金の定義に含めないため通勤費は含めずに計算します。, 妻が夫の扶養に入れなくなる年間収入の上限です。年間収入には実費支給の定期代やマイカーのガソリン代などの通勤費を含めて算定します。, 妻が個人事業主の場合は年間収入の計算の際に経費として控除できる経費は事業所得の申告をする時とは基準がちがい減価償却費など認められないものもありますので注意しましょう。, 上記の2つの壁は社会保険の壁ですが、よく耳にする壁に「103万円の壁」があります。混同されがちですが、この103万円の壁は所得税の扶養の壁のことです。税金は収入の内容により課税対象となるか否かが決まっており、下記の表のように細かく決まっています。通常の実費支給の通勤費は課税対象外ですが、最高限度額の設定もあります。, 家族を社会保険の被扶養者とするには、「被扶養者(異動)届」を提出して、被扶養者として保険者に認定されなければなりません。, 2018年10月から健康保険の被扶養者の認定手続きが厳格化されました。従来は被保険者が申し立てをすることで認定されましたが、現在では「続柄確認」と「収入確認」をするための書類添付が必要となります。, 続柄確認のための書類としては、戸籍謄本、戸籍抄本もしくは住民票など、収入確認のための書類としては課税証明書などがあります。, また、被扶養者が別居していて仕送りや送金を行っている場合には、仕送り額が明記されている通帳等のコピーや現金書留のコピーあるいはその証明書類も必要です。, 「被扶養者(異動)届」の手続きに関しては、被保険者が勤めている会社の方で行うので、実際に提出が必要なのは「続柄確認」と「収入確認」をする書類のみです。, ※続柄確認の書類はマイナンバーが届出書に記載されており、事業主が扶養認定を受ける方の続柄を確認した旨を記載していれば添付は不要です。, 上記の書類は被保険者が勤める会社経由で協会健保に所属している場合は日本年金機構に、それ以外は組合健保へ提出し認定されることとなります。, なお、上記書類の提出期限は事実発生から5日以内となっています。提出が遅れると更に追加の書類の提出も求められる可能性もありますので、条件の確認や提出書類の準備などは事前から行っておくといいでしょう。, 扶養と一口にいっても、社会保険と所得税でその考え方や扶養に入るための条件が異なることがお分かりいただけましたでしょうか。, 都度条件を確認する手間は大変です。社会保険労務士に依頼すれば、早くて正確な対応が可能ですので、一度ご相談されてはいかがでしょうか。, 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