AIボット AIボット 医療AIの診断力は向上しており、その精度は人間の医師と同等、あるいはそれ以上というケースも少なくない。にもかかわらず、患者の多くはAIによる診断を敬遠しがちだ。なぜだろうか。筆者らがさまざまな観点から調査を行った結果、自分は他人とは異なるユニークな存在であると考えている人ほど、AIによる診療に抵抗感を示すことが判明した。 3.医療 現場においてaiに実験させることはできない . 医療AIに抵抗があるのは、AIが他人とは異なる自分特有の体質や状況を理解できない、と信じているからのようだ。 人は自分を ユニーク な存在だと信じており、そのユニークさには健康問題も含まれることがわかった。 医療, 国内事例, AI(人工知能)を医療現場に導入する動きが加速している。しかしAIは医療ミスの責任を取ることができない。国は医師に責任を取らせようとしているが、それでいいのだろうか。, AI(人工知能)を医療現場に導入する動きが加速している。「加速」とはつまり、AIは一部の作業ですでに、医師や看護師などの医療スタッフより優れた実績をあげていて、その実績はこれからまだまだ増えていく、という意味だ。, こうした流れを受けて政府は2018年6月、AI医療機器に関するルールを整備する、とした。その方針のなかで最も重要なのは、AIを使った診療であろうと最終的な責任は医師が負う、という考え方だ。, 「AIを使った医療でミスが生じたら医師が責任を負うのは当然」と考えるだろうか。しかしことはそう簡単ではない。, 医師がAIの判断とおりの治療を行い、その結果患者の健康や命が損なわれても、医師はAIに「なぜそのような判断をしたのか」と問うことはできない。医師どころか、AIの開発者も「なぜAIがそう考えたのか」を説明できない。, 東京のある神経内科医院では、初診の患者が来院しても問診票を渡さない。その代わりタブレットを渡す。, 問診票とは、患者に症状を尋ねる質問用紙で、患者がそれに答えることで医師は病名を推測する。, この医院で使っているタブレットは、単に紙の問診票をペーパーレス化しただけではない。タブレットにはAIが搭載されている。, このAI問診タブレットは、患者の回答によって質問を変えていく。患者が1つの質問に回答すると疑われる病気を絞り込み、その病気に関連する質問をするのだ。医師が患者に質問するときと同じように、「この症状があるということはあの病気が疑われる」「この症状がないということはあの病気の可能性は消える」と考えるのだ。, このAI問診タブレットは、病気の知識を医学論文などで学習している。開発したのは、医師が共同代表を務めるユビー株式会社(本社・東京)という医療ベンチャーだ。, 1つ目は、医師のカルテ入力作業を減らしたことだ。タブレットは医師のカルテ用パソコンと連動していて、患者の回答がそのままカルテの下書きになる。紙の問診票だと、医師は問診票をみながらカルテに打ち込んでいかなければならなかった。, 2つ目のメリットは、患者の負担が減ったことだ。患者はタブレットの画面をタップするだけなので、入力時間が3~4分で済む。紙の問診票では平均7分ほどかかっていた。, 日立製作所と東京医科歯科大学は2018年4月に、潰瘍性大腸炎やリウマチなどの難病の治療で連携すると発表した。潰瘍性大腸炎もリウマチも、初期症状がそのほかの軽い病気と似ているので、地域のクリニックだと早期発見が遅れる可能性がある。そこでMRI(磁気共鳴画像装置)やCT(コンピュータ断層撮影装置)の画像をAIで解析する方法を両者で構築していく。, AIに、MRIやCTで撮影した画像のなかから病気の兆候を探す能力があることは、他の病気で証明されている。日立製作所と東京医科歯科大学は、そのAIの能力を難病の早期発見に応用しようというのである。, AI問診票もAI画像解析もすでに、特定の能力に限っていえば、正確さやスピーディーさで人の能力を超えている。, AIの賢さは、到底1人の人間では覚え込むことができない量の資料を簡単に覚え、そのなかから法則を探せることにある。, 将棋AIが人のプロ棋士に勝てたのは、プロ棋士でも学べないほどの量の棋譜を読み込み、そしてプロ棋士でも思い浮かばなかった一手を思いついたからだ。, ちなみに、AIを搭載していない普通のコンピュータなら、「コンピュータがなぜその答えを出したのか」は簡単にわかる。なぜなら普通のコンピュータは、プログラマーがつくったプログラムとおりにしか動かないからだ。だからプログラマーは「コンピュータの思考」を説明できる。, しかしAIの場合、そのAIを開発した開発者ですら、「なぜAIがそのような答えを出したのか」がわからない。, 例えばAI画像診断の場合、「なぜAIがその微小ながんを発見できたのか」は、医師にもAI画像診断の開発者にも説明できない。, なぜならAIが自分で「微小ながんを発見する法則」を考えついたからだ。そしてAIには、自分の考えを人に教える機能が備わっていない。, つまりAIの思考は、完全にブラックボックスのなかにある。だから可能性としては、AIは間違った理屈で正しい答えを出しているのかもしれないのだ。, AIが間違った理屈で正しい答えを出していたら、何が問題になるのだろうか。「正しい答えを出しているのだから、結果オーライとしていいのではないか」とも思える。, しかし間違った理屈で正しい答えを出している場合、こういったことが起きる可能性が残ってしまう。, ・間違った理屈で9,999回正しい答えを出した後に、必ず10,000回目に間違った答えを出す, つまり10,000回に1回必ず医療ミスを起こすAIをつくってしまう可能性があるのだ。, しかし人は、AIの考え方がわからないからそれを検証できない。ということはAIがミスを犯しているのに、医療スタッフが疑われることになるかもしれない。なぜならAIは9,999回も正しい答えを出しているのだから。, このAIが1,000,000回の症例を診れば医療ミスが100回起きるので、そのときようやく人は、AIが「犯人」であると気がつくかもしれない。, このケースでも、医師が責任を問われてしまうのだろうか。そしてAI開発者の責任が問わなくていいものなのだろうか。, もちろん、医師もミスを犯す。そして医師のミスによって命を落とす事故も多数発生している。しかし医師のミスの場合、裁判などで「なぜそのようなミスを犯してしまったのか」問うことができる。そのミスが、最良の医師の細心の注意によっても避けられなかったとわかれば、被害者や遺族も納得できるかもしれない。もちろん、ミスを犯した医師の過失が大きければ、賠償金を求めることができる。, AI医療の能力を疑う医師は、実は少なくない。医師で構成する組織としては国内最大級である公益社団法人日本医師会は2018年7月、「人工知能と医療」というタイトルの提言を公表した。, この提言では、「AIの限界は十分認識しておかなければならない」と明言している。さらに、「AIの悪用に懸念している」とも述べている。AIに懐疑的な姿勢が透けてみえる。, さらに「AIの利活用はデータの集積が最も重要である」とも述べていて、これはAIの利用に制限をかけようとしているようにも映る。, もちろんこの提言はAIを全否定しているわけではない。最後に「人とAIが協調する素晴らしい医療を望みたい」と結んでいる。しかしAIと医療の協調は、もう少し先の未来であると考えられている。, 医療界は実は、さまざまな産業のなかでもとりわけIT化が遅れた分野である。日本の医療といえば最新テクノロジーのかたまりというイメージがあるので、意外な印象を受けるかもしれないが、いまだに手書きのカルテを使用している医療機関は少なくない。, 少なからぬ医師がITを信用しなかったのは、人の命を預かる使命感からだろう。「新参者」で実績のない」ITに頼ったばかりに患者の健康や命を損なう結果になってはならないからだ。, 同じことがいま、医療のAI化の流れのなかで起きている。AIは便利だから医療に使ってこそ人類に貢献できると考える人と、「新参者で実績のない」AIに自分の患者を任せたくない医師がいるのだ。, そうなるとやはり、「人とAIが協調する素晴らしい医療を望みたい」というしかないのかもしれない。, AIが爆発的に賢くなるシンギュラリティ(技術的特異点)が到来するまでは、AI医療の導入のメリットとデメリットを慎重に測りながら実用化していくしかないだろう。, NISSENデジタルハブは、法人向けにA.Iの活用事例やデータ分析活用事例などの情報を提供しております。, 2018/6/30 2019/4/16 医療, 教育, 活用事例. 近年、AI技術が医療に活用されるニュースを目にする機会が増えています。例えば国内では、コンピュータ企業の開発した人工知能(AI) が、特殊な白血病患者を過去の論文データを参考にわずか10分で診断し、結果として患者の命を救うことにつながりました。 aiには絶対できない仕事とは? 「ai(人工知能)に仕事が奪われる」と危惧している人は少なくないだろう。 aiの医療分野での具体的な貢献はまだ多くはないことから、多くのメディアが取り上げました。 aiは自ら学んで専門医の知識を身につける. AIとは「Artificial Intelligence」の略称で、日本語に直訳すると「人工知能」という意味を指します。人間の言葉を理解する、画像や映像を認識する、予測を立てるなどといったように、あたかも人間の脳で何かを考えているような働きをするのがAIとされています。 実はAIという言葉が指す範囲は非常に広く、明確に定義されているものではありません。最近ではオフィスでの業務効率化を実現するためにRPA(Robotic Process Automation)が導入されたり、IBMが開発したコグニティブ・コンピューティ … ( ログアウト / 一つずつ順番に見ていきましょう。 1.aiを学習させるのに必要な「良質なデータ」が不足している. 224. ( ログアウト / 114. NISSENデジタルハブは、法人向けにA.Iの活用事例やデータ分析活用事例など、様々なお役立ち情報をお届けします。, 2019/3/13 2020.09.20. 活用事例, 音声認識, スマホと「会話」をしたり、スマホにメール送信を「命令」できるチャットボットは人気の機能だ。海外企業が提供する現代のチャットボットは、何ができて何ができないのだろうか。, 2018/5/23 2018年07月20日 09:00. News, ニューラルネットワーク, 機械学習, チャットボットについて、導入された事例をいくつか挙げる。
医療分野においても、もはやクラウド化の波を止めることはできない。膨大でセンシティブな医療データを自施設内(オンプレミス)で保有・管理することには限界があり、導入時にかかる費用や運用コスト、安全性、拡張性のいずれにおいてもクラウドに軍配があがるからだ。 aiには(原則として)因果推論ができない. AIとは, 問い合わせ対応の分野にも人工知能を導入する動きが増えている。このコラムではTBSテレビが導入した自動応答AIサービスについて紹介する。, 2019/4/21 ai・人工知能時代の到来とともに、「aiなら何でもできそう」というイメージを持つ人も増えているかもしれません。 ただ、残念ながら現時点ではai・人工知能にも得意な分野、対応できない分野があります。そのため今回は、aiの強みや苦手な分野を知り、効率的な運用に活かせるようまとめました。 written by 東京医薬 医療事務系学科. 人工知能(ai)が仕事を奪うと言われてますが、万能に思えるai(人工知能)にも苦手な分野があります。それは創造性と対人能力です。さて今日はなくならない仕事の例として、創造性と対人能力が欠かせない仕事10件をお伝えします。 変更 ), Facebook アカウントを使ってコメントしています。 一方で、aiにできないことは、前例・事例が少ないことに対して対応できないということ。では、医療事務の仕事で当てはめて考えてみましょう。 メイン業務は患者の案内係. イベント オープンキャンパス 医療事務お役立ちコラム 就職活動. ドクターがやさしく教える! ( ログアウト / 更に、僕が本当にやりたいところでは、上記の「診断×ai」の次、「医薬品×ai」をやりたい。 医療は規制が厳しく、aiへの適応が最も進んでいない分野の1つだが、8.5兆ドル規模のこの市場にはaiの使途が無数に存在している。 ある分子を治療薬として市場に投入できる確率は12%に満たず、1つの分子を研究室からベッドサイドに届けるには12年以上の歳月がかかる。 また、その意味や仕組みを簡単に説明する。, 2018/5/2 ( ログアウト / 自然言語処理, 機械学習モジュール群を組み合わせて、最適なソリューションを提供するPKSHA Technology. 現在、AIは人々の日々の暮らしの中に浸透してきています。例えば、2017年に相次いで発売された「AIスピーカー」は、スピーカーに内蔵されたマイクで集めた音声データをクラウド上のAIで認識し、構文を検索・処理して内容を理解し、適切な回答を音声で出力するものです。音声解析や揺らぎの多い構文解析にAIが活用されています。 自動運転車も高速な画像処理によって、前方の物体を識別したり、そのままの状態で進むと … 変更 ), 学習、問題解決、パターン認識など、通常は人間の知能に関連している認知的問題の解決に取り込むコンピューターサイエンスの分野. 人工知能、AIは「思いつき」や「閃き」がありません。判断基準となるのは「事実」だけ。 どんな人工知能にも搭載されている機能、それが「事実を認識する」機能です。自動操縦の無人飛行機にしても、チェスプレーのコンピュータにしても、ビッグデータ解析プログラムにしても。風向きや、相手のコマや、消費者が検索するワードを認識しなければ、成立しません。 逆にいえば、特定のデータしか理解できないのですが、そ … 内定速報!! 2020.08.30. AIボット 近年AIが注目されるようになった要因の一ひとつとして、ディープラーニングの隆盛が挙げられます。 ただし、ディープラーニングは非常に強力な一方、モデルがブラックボックスになってしまうという問題点があります。つまり、AIの予測結果がどのような計算過程を経て得られたものなのかわからないため、精度が高かったとしても、その予測の根拠がわからなくなってしまうのです。 Photo by LinkedIn Sales Navigator on Unsplash とくにモデルのブラックボックス化が問題視される例としては、医療業 … 〈お役立ちコラム〉“AIでできる仕事・できない仕事×医療事務②”9月21日(月)更新予定! つづく★. 1970年代の第1次人工知能ブーム期から活用が期待されていた医療分野で、ここ数年AIを臨床に応用していこうという気運が芽生えてきている。今回は大手医療機器メーカーと、医科大学の国内のAI活用事例を紹介する。シーメンスヘルスケアのAI事業の国内における見解と展... 人工知能(Artificial Intelligence:以下、AI)という言葉が登場したのは、意外にも古く、1950年代と言われている。「人工知能の父」と称されるアメリカのコンピュータ科学者ジョン・マッカーシーが、ダートマス会議(1956年)で初めて使用したのが起源となっている... https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29568420Z10C18A4X90000/?n_cid=SPTMG053, 異色の東大卒「医師起業家」が医療を変える アントレドクター 第1部(上) (日本経済新聞), https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32088730R20C18A6X11000/?n_cid=SPTMG053, あなたはAIを信用できますか? AIが出した結果の根拠を説明する技術(FUJITSU JOURNAL), http://journal.jp.fujitsu.com/2018/01/23/02/, 人工知能(AI)と医療 第3回人間中心のAI社会原則検討会議2018年7月5日(公益社団法人日本医師会 羽鳥裕), http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/humanai/3kai/siryo2-1.pdf, https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32207330V20C18A6MM8000/.